携帯のバイブが震えた。


メール

  『歩来、来て』

芳樹からのメールだった。


恐る恐る病室に入ったら
芳樹が立ちすくんでいた。


「大丈夫?」

白い布のかけられている
芳樹の母


私が近づいて行った時
芳樹が抱きついてきた。


そして子供のように泣き出した。


私は芳樹をしっかり抱きしめた。



「歩来は俺をひとりにしないよね?」

涙で一杯の目から
涙がこぼれおちる。

「俺だけを愛してくれるよね?」


「愛しているけど
他の人も愛してる・・・・
一人だけを愛せないわ。」

  はっきり答えないと……



「素良か・・・・」

涙で濡れた瞳が底光をした。




「あいつだけは 絶対やだ・・・・」


そう言って
私を壁に押し付けて
激しいキスをした。


「おかあさん、いるのに・・・・」

私は芳樹の母親が
見ているような気がして怖かった。


「あいつにとられるくらいなら・・・・」



「殺すよ、歩来・・・・」