「向こうでなんかあったの?」

私は少し動揺した。
「別に…ただ、疲れたの。
親も話聞きたくてうずうずしてるから…
帰らなくちゃ。
ごめん、ちょっと勉強行きずまって
イライラしてるの。
あたってごめん。」


「そうか・・・」
芳樹が悲しそうに下を見た。

その時携帯が鳴った。

私はびっくりして慌てて電話をとった。


「もしもし・・・」

「俺。この電話親だと思ってしゃべんな。」

素良でまた驚いたが

「おかあさん?今ついたの。
え?…はい…うん、
成績?…帰ってから話す。
迎え?駅?
わかった。もう少ししたらいくから
ついたら電話する。」

そう言って電話を切った。

「おかあさん?」

「迎えに来てるって…」

「わかった。今日は帰るわ。」
芳樹はあきらめたようだった。


私は罪悪感で一杯になった。


「ごめん。
今日明日ゆっくりしたらすぐに
会いに行くから。」

周りには誰もいなくなった。


芳樹を抱きしめて
私からキスをした。


「…歩来…愛してる…」

唇を離したら
芳樹が言った。


「どうしたの?
芳樹ったら・・・・」

私は芳樹の唇に指をあてた。


「不安だったから…
無理なこと言ってごめん。」

不安にさせたのは私

「会いに行った時…
また……
あ~その後は、恥ずかしくて言えない…」

そう言ってもう一度芳樹にキスをした。

芳樹はいつもの優しい笑顔になった。