クラスに入ると素良が教科書を開いていた。


「おはよう」
普通に声がかけられた。

ちょっと驚いて素良が
「おはよう」と言った。


「昨日・・・」
言いかけて素良がやめた。

「勉強疲れかな。
ちょっとしんどかったから・・・」

「そっか・・・」


  すごいよ
  普通に話せるよ・・・・


でも心がキュンキュンした。
黒板を見る時視界にはいる
素良の横顔
素良の細い指


素良の唇が
私の全身を痛いほどキュンキュンさせる


素良は私がこんなに
つらいことなんかわかってないんだろう

自分と同じくらい
簡単に切れると思っているんだろう


幸せだった講習も苦痛な時間になった。