完全にいつもの顔に戻ってしまった。


鏡をみながら
ため息をついた。

「いいじゃん、変われることわかったんだから。」


私は、泣きながら
ケーキを頬張った。

生クリームが口からあふれてきたけど
もうヒックヒックしながら
ケーキを食べた。


「泣きながら食べるな。」

眉をしかめて芳樹が言った。


「うっさい!!あげないから!!
芳樹のせいだから、キレイだっていってくれないから」


芳樹の分も頬張った。

「まじかー!?なによ!!
俺ケーキ大好物なんだから」


ムキになってケーキを全部口に入れた。


「あったまきた!!」


芳樹が私の生クリームだらけの頬を固定した。

「いいよ~だ。」

そう言って、顔中についた生クリームをペロペロ舐めた。
口の横にはみ出たスポンジを
パクパク食べた。

「うまい!!きれいな顔についたケーキだから
食べられるんだぞ。」


甘いキスの嵐に頭がクラクラした。

   私はうそつきでサイテーな女です

芳樹の笑顔が突き刺さる。


「愛してる歩来・・・・」

いつしか甘いキスが
激しいキスに変わっていた。


「俺を愛して・・・歩来・・・・」


芳樹によってきれいにされた顔が

紅潮しているのがわかった。


「俺だけを見て・・・」


   芳樹は、知ってる
   私の嘘を・・・・・


「嘘でもいいから
愛してるって言え・・・・」


   その嘘だけはつけない

「嘘つこうよ・・・・」

悲しく笑った。

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

私のずるい心が叫んでる。
芳樹の罰が痛いって・・・・・・