張りつめた空気の中で
フォークとナイフの音が響いた。


時より千鶴が眼尻を拭く


  芳樹はここをどう
  やりすごすのかしら


興味はあった・・・・


「ぷーちゃん、美味しい?」

「美味しいよ。」
味わってなんかいられない。
千鶴の目が血走っている。

今日こそ・・・の決意が見られた。


私の携帯が鳴った

慌てて開くとおかあさんから
怒りマークで


 『朝から出かけて何時まで遊んでるの』

とメールが来た。

「やば・・・」

「どうした?」

「おかあさんから怒りマーク。
最近とうとううるさく言われるの~!!」

「ごめん・・・大丈夫?」


「うん。食べたら帰る。」

「送ってくよ。」

「大丈夫、地下鉄乗ればすぐだもん。
それより、千鶴さんの質問に答えてあげて…
その答えは、今度私にも聞かせて。」


「俺も帰るわ。
興味はあるけど、さすがに込み入った話聞く
大きな心はないから
二人になった方がいいよ。」



  素良にとってはきついかも・・・


実は、気持ちが傾きだしている
私にとってもキツイ内容だった。


芳樹と千鶴に嫉妬がないわけではない。


「あとで、メールするよ。」

すまなそうに芳樹はいった。


「うん、大丈夫よ。
美味しかった~すっごく!!
御馳走様でした。」


そう言って芳樹と千鶴をおいて
私と素良は、店を出た。