「一人の時までは、縛らないから
せめて、一緒にいる時は俺を見てほしい。」

その言葉は私の心に深く刺さった。

   私も素良にそう思うことある・・・・


「ごめん、芳樹。」


「わかってくれたら、それでいいから。」


少し沈黙が続く。


「ね…俺んちくる?」


「え?う…ん…
家族はいる?」

「いや…仕事でいない…」


少しためらったが
芳樹は、どんどん歩きだした。


「お腹すいたよ。」

「じゃ、なんか買っていこ。」



大型スーパーに入り
芳樹は無言で、弁当とジュースとスナック菓子を買った。


レジで素良と千鶴に会った。



4人は無言になった。


素良が私を見ている視線に気がついたけど
芳樹に感づかれるのが
怖くて
目をそらした。


先に会計をすませた芳樹はあっという間に
買い物をつめて

「行くぞ。」と歩きだす。


その後を小走りについて行った。


二人の籠の中には
カレーライスの材料が入っていた。


   男の心に響くのは
   手作り料理か・・・・


「早くこいよ!!」


芳樹は見るからにイラついていた。



   行きたくない…

素良を何度も振り返った。