放課後、教室の入り口に芳樹が立ってた。


「ぷーちゃん一緒に帰ろう。」
と、手を振った。

千鶴が私を振り返って睨みつけた。

  ふん…
  散々、見せつけて、なんなの


私は、カバンを持って芳樹のところに
駆け寄った。


素良を振り返った。

   今日の約束やぶった


私は、芳樹の後に続いた。



「今日さ、バイト給料なんだ。
御馳走するよ。」

「いいよ、おこづかい残ってるし~」


「どっちにしてもデート、デート!!」


そう言って私の手をとった。


今日はひとりになりたくなかったから
ちょっとほっとした。


帰り道
芳樹と手をつないだ。

これから、あの二人は
何をするのか想像ばかりした。
二人のキスシーンを思い出しては
嫉妬で狂いそうだった。

きっとそれ以上のことも・・・・


想像しては、必死にかき消した。


「ぷーちゃん、どうした?」

「え?いや、別に…」


動揺した。

「何考えてるの?」


「・・・・・・」


とっさに嘘がつけなかった。


「俺といる時は
俺のこと見てって、言ったら?」

「あ、ごめん・・・」



   芳樹も嫉妬してる
   見えない誰かに・・・・