出口で、芳樹が待っていた。


「おはよう!!」
元気な笑顔に思わず
涙線が緩んだ。

「あれ?どーした?」

「いや、なんにも・・・
あ・・・ごめんね。
ちょっと親と喧嘩しちゃて・・・
あんたの顔見たら、泣けちゃった。」

  マズイ・・・しっかり・・・


芳樹が私を引き寄せた。


「じゃ、俺、救世主?」

「ちょっと、みんないるじゃない…
やめて、恥ずかしいから…」

「やだね~
ずっと学祭でぷーちゃんにまともに
会えなかったんだから
もう、気が狂いそうだ~」


そうして私の髪の毛にキスをした。

「いい匂い~」

「バカ、バカ!!やめてよ!!」


芳樹の明るさで学校までの道のり
笑って、笑って
歩けた・・・・


「ありがと・・・」
小さくつぶやいた。

「なんで?」

「なんでも・・・」


私は、芳樹の長い指に
自分の指をからめた。


「ぷーちゃんの手って
ぽちゃぽちゃして気持ちいいな~」


  そうなの
  複雑だけど
  素良は、大好きなの・・・・


「太ってるからでしょ?」


「最近、少しやせたよね。
俺は、ぷくぷくしてる方が
絶対に好きだけど~」



  素良とおんなじ・・・・


「でも、そういいながら
やっぱりスタイルのいい女に走るんだ。」


「呪文みたいに言うなよ~」

「だって、本当だもん・・・
男なんてみーんなそうなんだって~
キューボンが好きだって
雑誌に書いてあった。」


「くだらない雑誌を読むな。」


芳樹が私の手にキスしてくれる


  元気になる注射


「ありがと」


「なにが・・・」



二人で笑い合いながら歩いた・・・・



その後に、素良がいることなんて
思いもせずに

芳樹に癒されていた・・・