憎愛者




俺の背中を貫いていたものがゆっくりと抜かれる。



そして美幸が俺の前に座った



『…大好きよ、孝行…』



手に握られている俺の血で汚れた包丁を




俺の腹に突き刺した



…………何度も何度も…



意識が遠退く中、俺は見た








笑いながら泣く美幸の後ろで





嘲笑う明美の姿を…