カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

その日の夕方、会う約束をしてから携帯を閉じた。

うぜぇからさっさと、終わらせたいそんな気持ちからの安易な返事だった。

ガチャ。ガチャ。

舞が来たようだ。

「お邪魔します」

見つめた舞は、卒業した頃よりも髪が長く、ほっそりとして、あの頃よりも綺麗になっていた。

「舞。おいで。」

両手を広げ抱き寄せる。

なんだか、舞を久しぶりに抱きしめた気がする。

ここ最近、ろくに合ってないのは分かっていたから。

見上げた瞳は、涙で濡れていた。

「どうして泣いているんだ?」

人差し指で、真珠の涙をそっと拭き取った。

「だって…不安だったの。カズキが居なくなるんじゃないかなって…。」

「ばっかだなぁ…。」

さらにきつく舞を抱きしめる。

どうしたら、舞に分かるんだろうか?

こんなにも、お前だけを愛してるって事を…



お前が誰にも、奪われないように、傷つかないよいにいつも、怯えてるんだ…俺は…