カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

山崎の言葉で、行かないわけになってしまう。

山崎が怖いとかじゃねぇんだけどなぁ…。

はぁ…マジでこの人疲れる…。


耳が壊れほどのボリュームでアップテンポの曲が流れる中、改造された黒塗りの車に乗り込む。


「ねね?二人とも名前なんて言うの??」

山崎がミラー越しに大声で話しかけた。

何やら甲高い音が、口パクのように感じて聞き取れない。


即座にボリュームを下げるとやっと会話になったんだ。


「あたし、リサ16才。
こっちの赤いリボンの子が同い年であみ。」

そう言いながらうきうきした感じで、前のめりで答えた。

リサと言うボブヘアーの女からは、ツーンと甘い香がした。

俺と同い年かぁ…

「ねね?お兄さん達は?」

「あ?俺は山崎 タケオ
19だよ。んで、この無愛想男がカズキ。16才かな。」

「無愛想って。無愛想なんだ?」

クスクスと笑い声が聞こえる。


ッたく…くだらね事言ってんじゃねぇぞ。