カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

「松岡さん・・?ねぇ・・どうしたの?」



私の声は確かに聞こえてるのに



松岡はずっと硬い表情のまま・・




「このまま・・お前を誰にも触れられないように、閉じ込められたらいいのにな・・」



「・・・?」



「カズキ、カズキって・・
ずっと・・本当に見つめていたよな。

やっとお前の心に入り込めるとおもったら・・

また・・
振り出しかぁ・・」



徐々に車のスピードが落ちていく。





「聞いたよ・・ユキちゃんから。あの後。」





何も言返す言葉が見つからない。


そんな自分にますます、嫌気が差してきた。






どうして・・

私は言葉が足りないんだろう・・








肝心な時、松岡に安心を与える言葉をあげれないんだろう・・





「確かに・・カズキと逢ったけど・・
別に何も・・・」





「別に何も・・?

じゃーなぜ、泣いているの?」