カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

「金なら…金ならあります!心配いりません。」

「はぁ…?何を言い出すんだ?」





その言葉に、反応をして静かにカズキへ近付く。



16才とは言え、カズキは細身で背も高く、私の父を見下ろしていた。



「君の事は、調べてあるんだ。世間は怖がっても、わしらはなんとも思わんよ?なんなら、今すぐ少年院に送ろうか?
それだけのコネもあるし、君も綻びもあるだろ?」





余りにも酷い父の言葉。



これ以上聞きたくないよ!

カズキは、まだ何か言うつもりで、床に正座をし始める。



「お願いします!どうか!認めて下さい!」



床におでこを擦り付けるように、必死にお願いする姿に、




どうしようも出来ない自分が







情けなかった。










それでも、罵倒し続ける父の姿。


もう…耐えられない光景だった。