カズキ、１０年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

「また君か…」


困惑した顔で、カズキを捕らえている。




「連絡を貰って急いできました。」


「……」




きっと、連絡したのは真由美さんなんだろうな。

その証拠に、真由美さん顔を見ると微かに、私達だけが分かる笑いをしていた。

真由美さんが連絡してくれなかったら、この先どうなっていたんだろう。

でも、まだ事態は何も変わってなんかいないんだっけ…





「君には、関係がない事だ。費用もこちらでだす。結婚も認めない。
今後一切娘に関わるのを辞めてくれ。」





－…口だしはさせない





そんな様子で、私の手を引っ張り出す父に、素早く中に割って私との間を切り離す。




「俺は、こいつと本気で一緒になりたいんです。
不安な時や、楽しい時もそばにいてやりたいんです。」




「本気で言ってるのか？
冗談じゃない！
君みたいな、不良に大切に育てた娘をやるつもりは毛頭ない！
なんなら、君のお母さんに、慰謝料請求しようか？
そんな金なんてないだろ？
金の請求なしで、許してやると言ってるんだ！
未成年のガキが意気がるな！」





再び私の手を引いて、外へ連れだそうとした。



連れ出される事よりも、カズキに向ける、父の心ない言葉に、何よりもショックで、涙が自然に溢れ落ちてきた。