カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編

「大丈夫なの?勝手に入って…」

急に心配になり、カズキを見上げる。

「大丈夫じゃねぇ?俺もぶっちゃけ2回目なんだ」

「……」

その根拠のない自信に呆れながらも、祈りを捧げる場所へ着いた。


「ちょっと寒いね」

「だなぁ。俺が初めて来たのはもっとガキの頃で、やっぱり誰もいなくてさ。けれど、不思議とまたいつか、来たいって思ってた。」

「それが今なの?」




「あんまり、神様とか信じたりしてねぇけど。
俺も父親になるんだ。
無事に、舞が産めるように祈ってみてもいいんじゃねぇかって」





「あら…私仏教徒よ?(笑)」





それを聞いてか?カズキもいたずらっぽく微笑んで





「-…俺もだ…」なんて言っていた。








本当…訳がわからないんだけど、妙におかしくて

そして…









幸福な気分に包まれていた。