アイドル学園Ⅶ〜Brillo Estrella ー After Story ー〜


愛歌side

舞の退院祝いは、まだ終わる気配がなかった

笑い声の中にいるはずなのに、どこかだけ落ち着かない

……気のせい…だよな?

輝「愛歌先輩、それ持とうか?」

愛歌「お願いできる?」

輝「はい」

手が伸びてくる

その瞬間、ほんの少しだけ指先が触れた

たったそれだけなのに…
少しだけ呼吸が浅くなる

……何?今の……

輝は何事もなかったように笑っている

いつも通りの後輩の顔

ちゃんとしていて、素直で、距離もちゃんと守っている

だからこそ…分からない

その距離が“近いのか遠いのか”すら…

千紗「愛歌くん、これどこ?」

愛歌「そこ置いて」

璃晶「愛歌、次これ頼む」

愛歌「分かった」

普通のやり取り

普通のはずなのに…
視線だけが、少しだけ輝に向いてしまう

……なんで……?

水晶「愛歌」

愛歌「なに?」

水晶の声に振り向く

水晶は紅茶を持ったまま、こっちを見ていた

水晶「今日は、少しだけ迷ってる顔ね」

愛歌「そうか?」

水晶「ええ」

それだけ言って、静かに笑う

深くは言わない

よく分かんねぇ!!

萩花「なぁ、輝!」

輝「どうしたの?」

萩花「愛歌先輩のことどう思ってんの?」

愛歌「っ……」

思わず息が止まる

空気が一瞬だけ揺れる

輝「愛歌先輩は……」

少しだけ間があく…

輝「ちゃんとした先輩…かな…?」

……そう、だよな……(溜息)

分かっていた答えなのに…
胸の奥が少しだけ重くなる

莉奈「まだ揺れてるね」

莉乃「うん、でも“確信”が足りない」

花音「お互い様ってやつだね」

花南「あと一押し」

……何の話だ?