【短編集】あの日、キミに恋をした。

始業式が午前中で終わり、そのあとは軽く生徒会のミーティングをした。

でも、それ以降は何もない。

わたしは今日も勉強するのみ。

有名進学校に入ったのはいいけど、着いていくのに必死すぎて1日15時間勉強は当たり前。

移動中も英語のリスニングをしたり、ぼろぼろの単語帳を開いて覚えたり。

とにかく勉強だけの毎日が過ぎていく。

入学したての頃はカラフルな学生生活に憧れもした。

入学前のオリエンテーションで話してくれた先輩みたいに文武両道を目指したこともあった。

ちょっとかっこいい人を見てはわたしに好意を持ってくれないかなとか思ったり、

なんとなく叶わないなって思ってた初恋に、ちょっと脈アリかもと淡い期待を寄せていたこともあった。

けど、わたしは周りのみんなが思っているほど、できる子でもなくて器用じゃない。

文武両道なんて到底無理だし、好きだって思い詰めて頭が恋愛モードになっちゃうともうその人のことしか考えられなくなるから、結局は失恋してよかったって思うことにしてる。


あぁ、いやなこと思い出しちゃったな…。

わたしの人生史上最大の汚点。


ーー失恋。


去年の12月23日。

長年片思いの初恋の人に玉砕するのをわかっててぶつかった。

もちろん奇跡なんて起こらなくて、涙なんてこれっぽっちも出なかった。

でも、ふとした瞬間に思い出しては記憶をなぞるようにしてあの日の気持ちがよみがえる。

ズキンと心の真ん中が痛むような感覚があって、しゅんとしぼんで。

そして、わたしは痛感させられる。

本当に好きだったんだな。

いや、もしかしたら、今もまだ…。

なんて。