【短編集】あの日、キミに恋をした。

はぁ…。


心の中で小さなため息をつく。

2人共幸せそうだなぁ。

これが俗に言うリア充か。

わたしとは無縁の幸せの形。


高3にもなって恋人がいないなんて…。


目の前に広げた参考書の山を見る。

これがわたしの人生かと悟る。

恋人なんかいなくたって、

良い大学入って、

大手に就職して、

ゆくゆくは大学時代に知り合った人と結婚して…。


なんてのが母が抱いてわたしに刷り込んだ幻想だと気づいたのは高校に入ってわりとすぐのことだった。

本当に優秀な人は指で数える程度しかいなくて、わたしみたいに努力でのしあがって来た人は常に努力し続けないといい成績をキープ出来ない。

生徒会とか目立った活動でもしておかないと内申書に書くことがなくなって有名私大の校内推薦なんてもらえないし。

世の中、そんなもの。

有名進学校に入ったから安泰なわけなかったんだから、自分でなんとかするしかない。

そうやって、勉強一色な生活を送っているのは、

平沢和実17歳。

一応、真星学園高等部生徒会副会長をしています。

なんて、自己紹介は今年は去年から持ち上がりのクラスだからすることもなく、慣れたメンバーと同じような日々を過ごす。

そう、思っていた。