何回かゲームを進めていった時。
またしても、美波が王様を引き当てた。
「じゃあ次の命令ね! 1番と2番がキスする!!」
ニヤニヤしながら美波が言った。
その突拍子もない命令に、新太が「はぁ!? お前バカじゃねーの!?」とすかさずツッコミを入れる。
けれど、美波は「王様の命令は絶対でしょ!」と引く気は一切ないようだ。
そんなやり取りをどこか他人事のように聞きながら、私は手元の割り箸に目を落とした。
そこに書かれていた数字を見て、心臓が跳ね上がる。
私の数字は『1』だった。
(嘘……私が1番だ……)
美波は王様だから、私がキスをすることになる相手は、自動的に新太か勇斗のどちらかになる。
急に心臓がバクバクと激しく波打ち始め、手のひらにじっとりと汗がにじむ。
「ほらほら、1番だーれだ!?」
美波の楽しそうな声が部屋に響く。
私は恐る恐る、自分の箸をみんなの前に差し出した。
「……私だよ」
「お、柚那!! じゃあ、運命の2番はだーれだ!?」
美波の目が一段と輝く。
部屋の中に、それまでの賑やかな空気とは違う、妙な緊張感が走る。
そして、一人の男子がゆっくりと箸を上げた。
「俺だよ」
勇斗だった。
その瞬間、頭が真っ白になった。
美波が「えっ、本当に!?」と声を上げる。いつもなら真っ先に茶化すはずの新太は、なぜかどこか気まずそうに顔をそむけていた。
勇斗に対して特別な恋愛感情は無かったけれど、さすがに相手が男子となると正直、激しく戸惑ってしまう。
(本当にするのかな……?)
(どうしよう……勇斗は嫌じゃないのかな……?)
ぐるぐると思考が空回りして動けずにいると、勇斗がまっすぐ私を見た。
その瞳はいつもより真剣で、冗談を言っているようには見えない。
「柚那、ここ座って」
トントン、と自分のすぐ隣の床を叩いて、勇斗に呼ばれる。
緊張で足が震えそうになりながら、私は言われるがまま、吸い寄せられるように彼の隣へと座った。
勇斗が少しだけ、私の方へと体を寄せる。
部屋の中が、急にシンと静まり返ったような気がした。さっきまで聞こえていた新太や美波の気まずそうな息遣いすら、遠くに感じる。
「……本当に嫌だったら、言って?」
耳元で、勇斗の少し低い声が聞こえた。
その直後、ふっと勇斗の大きな影が私に重なる。
初登校の日に遠くから見つめていた、あの背が高くて、顔の小さい勇斗が、すぐ目の前に迫ってくる。私服のシャツから、ほんのりと爽やかな洗剤のような匂いがして、胸が苦しくなるほど締め付けられた。
ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、私はたまらず目を閉じた。
私たちは、キスをした。
またしても、美波が王様を引き当てた。
「じゃあ次の命令ね! 1番と2番がキスする!!」
ニヤニヤしながら美波が言った。
その突拍子もない命令に、新太が「はぁ!? お前バカじゃねーの!?」とすかさずツッコミを入れる。
けれど、美波は「王様の命令は絶対でしょ!」と引く気は一切ないようだ。
そんなやり取りをどこか他人事のように聞きながら、私は手元の割り箸に目を落とした。
そこに書かれていた数字を見て、心臓が跳ね上がる。
私の数字は『1』だった。
(嘘……私が1番だ……)
美波は王様だから、私がキスをすることになる相手は、自動的に新太か勇斗のどちらかになる。
急に心臓がバクバクと激しく波打ち始め、手のひらにじっとりと汗がにじむ。
「ほらほら、1番だーれだ!?」
美波の楽しそうな声が部屋に響く。
私は恐る恐る、自分の箸をみんなの前に差し出した。
「……私だよ」
「お、柚那!! じゃあ、運命の2番はだーれだ!?」
美波の目が一段と輝く。
部屋の中に、それまでの賑やかな空気とは違う、妙な緊張感が走る。
そして、一人の男子がゆっくりと箸を上げた。
「俺だよ」
勇斗だった。
その瞬間、頭が真っ白になった。
美波が「えっ、本当に!?」と声を上げる。いつもなら真っ先に茶化すはずの新太は、なぜかどこか気まずそうに顔をそむけていた。
勇斗に対して特別な恋愛感情は無かったけれど、さすがに相手が男子となると正直、激しく戸惑ってしまう。
(本当にするのかな……?)
(どうしよう……勇斗は嫌じゃないのかな……?)
ぐるぐると思考が空回りして動けずにいると、勇斗がまっすぐ私を見た。
その瞳はいつもより真剣で、冗談を言っているようには見えない。
「柚那、ここ座って」
トントン、と自分のすぐ隣の床を叩いて、勇斗に呼ばれる。
緊張で足が震えそうになりながら、私は言われるがまま、吸い寄せられるように彼の隣へと座った。
勇斗が少しだけ、私の方へと体を寄せる。
部屋の中が、急にシンと静まり返ったような気がした。さっきまで聞こえていた新太や美波の気まずそうな息遣いすら、遠くに感じる。
「……本当に嫌だったら、言って?」
耳元で、勇斗の少し低い声が聞こえた。
その直後、ふっと勇斗の大きな影が私に重なる。
初登校の日に遠くから見つめていた、あの背が高くて、顔の小さい勇斗が、すぐ目の前に迫ってくる。私服のシャツから、ほんのりと爽やかな洗剤のような匂いがして、胸が苦しくなるほど締め付けられた。
ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、私はたまらず目を閉じた。
私たちは、キスをした。
