君の隣。 〜一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、出会って10年、ずっと私だけを思い続けてくれた「親友の元彼」でした〜

三人に囲まれて笑っているうちに、気づけば、あんなに苦しかった雅人への未練は、綺麗に消えていた。

廊下の窓際は、いつの間にか私たち四人の指定席になっていた。チャイムが鳴る直前まで誰かの冗談で笑って、「やべ、次移動教室じゃん!」と慌てて走り出す。窓から入る風が気持ちよくて、この毎日がずっと続くんだと、ごく自然に思っていた。

ちなみに、私たちの恋愛事情はというと――。

美波は、大好きな推しのアイドルに相変わらずぞっこん。

新太は、同じクラスに気になっている女の子がいて、「今、ちょうどいい感じなんだ」と照れくさそうに教えてくれた。

勇斗は、連絡を取り合っている女の子はいるみたいだけれど、特になんとも思っていなさそうだった。

それから、さらにしばらく経った頃のことだ。

「報告がある! 彼女できた!」

廊下の窓際で、先に言い出したのは新太だった。ニヤけた顔が、まったく隠せていない。

「……実は、俺も」

続いて、勇斗がぼそっと呟く。

「告白されて、断る理由もなかったから」

「ええっ、二人とも!? すごいじゃん、おめでとう!」

美波が両手を叩いてはしゃぎ、私も一緒に祝福を伝えた。

「どんな子? どんな子!?」と食いつく美波に、新太は「めっちゃ笑う子」とデレデレで答える。

「勇斗は?」と聞かれて、「……普通」とだけ返した勇斗は、少し困ったような顔をしていた。

二人とも、かっこよくて優しい。彼女ができるのは当然だと思う。
けれど、笑顔でお祝いを口にしながら、私の胸の奥には、冷たくてざらりとした寂しさがじわじわと広がっていった。

(彼女ができたなら、もうこうして廊下に集まって話すことは、できなくなるのかな……)

そう考えると、足元がすーっと冷えていくような気がした。

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その日の帰り道。

一人で自転車を押しながら、夕焼けの空を見上げた。

友達の幸せを、心から喜びたい。その気持ちは本当なのに。

私だけがポツンと取り残されたような――やり場のない切なさを、どうしても消せなかった。

その夜、美波からLINEが届いた。

『二人とも彼女できちゃったね〜! 柚那も彼氏つくりなよ!』

『私はいいかな(笑)』

『えー、もったいない!』

本心だった。雅人のことで、恋愛はしばらくお腹いっぱいだと思っていたから。

どうして、こんなに寂しいんだろう。

その理由は、自分でもよく分からなかった。