君の隣。~一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、10年間私を忘れられずにいた「親友の元彼」でした~

文化祭と体育祭。

合わせて3日間という、高校生活の青春のすべてを賭けた一大行事が、ついに幕を開けた。

前半の文化祭は2日間。

私はクラスの子たちや、真美、明里と一緒に回る約束をしていたから、新太とは特に約束はしていなかった。
お互い自分のクラスの出し物で忙しいし、友達との時間を楽しむのも大切だと思っていたから。

それでも、ざわめく校内を歩いていると、友達と笑い合っている新太を何度か見かけることがあった。
そしてそんなとき、彼の近くには決まって梨花や茉莉の姿もあった。

​楽しそうに模擬店の食べ物を分け合ったり、ふざけ合って笑う姿。
こちらから声をかけるべきか迷っているうちに、彼は友達との会話に夢中で、私の存在には気づいていないようだった。

視界の端に彼女たちの姿が映るたび、胸の奥がちくりと痛む。
でも、「文化祭なんだから同じ系列の子といるのは当たり前だ」と、私は必死に自分に言い聞かせ、ざわめく感情に無理やり蓋をしてやり過ごした。

そうやって自分を納得させながら、2日間の文化祭は何事もなく無事に幕を閉じた。

そして、いよいよ体育祭当日。

抜けるような青空の下、まずは先輩から頼まれていた応援団の出番がやってきた。

事前に新太から借りていた、彼サイズの大きな学ランを羽織る。はちまきをきつく締め、さらしを巻く。
袖を通すと、微かに新太の匂いがして、少しだけ心が落ち着いた。最後にたすきを掛けて気合い十分でグラウンドに飛び出し、声を枯らして体育祭を精一杯盛り上げた。

その後も白熱した競技が続き、最後はメインイベントであるダンスパフォーマンス。

夏休みからずっと、みんなで汗を流して重ねてきた努力。それが一つになって形となり、どのチームも最高のパフォーマンスを披露できたと思う。
結果として、私たちのチームは残念ながらダンス部門での優勝は逃してしまった。けれど、ブロック全体の総合得点では、見事に優勝を勝ち取ることができたのだ。

抱き合って喜ぶ仲間たちの中で、私も達成感と喜びで胸がいっぱいになった。

体育祭の全日程が終わり、夕暮れ時のグラウンドの隅で、私たちは最後のダンスチームの集会へと向かった。
熱気が冷めやらない中、リーダーからダンスチームの「打ち上げ」についての案内があった。

歓声が上がる。みんなが優勝の余韻に浸り、最高の笑顔で盛り上がっている。

……でも、その弾むような歓声を聞きながら、私の心は急速に冷えていった。

きっと、新太たちのチームもどこかで打ち上げをするんだろう。
打ち上げという特別な解放感の中で、新太と梨花が一緒に過ごすことになる。夜遅くまで、あの二人が同じ空間で、同じチームメイトとして笑い合うのだ。

ふと、梨花のSNSに投稿されていた言葉が頭をよぎる。

『だんだんすきになっていく』――。

画面の向こうに隠されていた、あの言葉。
それが今、打ち上げへ向かうみんなの浮き足立った空気と混ざり合って、まるで私の知らないところで彼らだけが進んでいってしまうような、そんな寂しさが胸を満たす。

みんなの輝くような笑顔の中で、私だけが暗闇に取り残されたように、どうしても心が憂鬱に沈んでいくのを隠せなかった。