ダンス練習と部活を終えたある日の夜、私はなんとなくSNSを開いていた。
真美や明里、千春、それに梨花や茉莉の投稿を眺めていた。
梨花と茉莉とは、体育祭の準備が始まる少し前に友達申請がきて繋がっていた。
そこまで親しいわけではなかったけれど、お互いの近況が見える距離にはいたのだ。
その中で、昨日の梨花の投稿に目が留まった。
そこには、
【4*0004*00033322555444*444411222】
と、意味の分からない数字と記号だけが並んでいた。
最初は文字化けかなとも思ったけれど、すぐに違うことがわかった。
茉莉がその投稿にコメントをしていたからだ。
茉莉のコメントは一言。
『仕方がないよ』
どういうことだろう。
胸の中がざわついて、不思議な感覚に陥る。
これは梨花と茉莉、二人の間だけで通じるなにか――そう確信した。
その日は結局、その数字が頭から離れず、胸騒ぎがしてなかなか寝付くことができなかった。
ーーーーーーーーーー
次の日。
部活を終えて、明里と少しだけ話をしていたときのことだった。
「そういえばさ、明里はこれどういうことだと思う? なんかずっと気になっちゃって」
私はスマホの画面を出し、昨日投稿されていたその数字を明里に見せた。
「あぁー、これ梨花の投稿だよね? 私も見たけど、なんだろうね……。数字でなにか暗号みたいな文章を作ってるのかな」
明里も首を傾げるだけで、それ以上のことは何もわからなかった。
明里と別れて家に帰り、リビングに入ると、お母さんが机に向かってなにやら作業をしていた。
「何してるの?」と覗き込むと、お母さんは見慣れない古いガラケーを操作していた。昔飼っていた犬の写真をガラケーから現像できると聞いて、わざわざ充電して起動させていたらしい。
懐かしい写真を見返して盛り上がった流れから、メールの話になった。
「昔はメールを送るとき、こうやって文字を打ってたんだよ」と、お母さんは楽しそうに実際の操作を見せてくれたのだ。
ボタンを何度もカチカチと連打して文字を変えたり、記号のボタンを押して濁点をつけたりする、その独特な打ち方。
「へえ、大変だったんだね」なんて返しながら、私は自分の部屋に戻った。
ベッドに寝転び、どうしても気になっていたスマホの画面を開く。
昨日からずっと頭を離れない、梨花の投稿。
【4*0004*00033322555444*444411222】
その数字と記号の羅列を眺めていた、その時だった。
さっきお母さんが見せてくれた、ガラケーのボタンの動きが、脳内で鮮烈にフラッシュバックした。
『4』の後に、濁点を表す『*』。
その後に続く、同じ数字の繰り返し。
「……もしかして」
心臓がドクンと大きく跳ねた。
もしこれが、あのガラケーのボタンを押す回数を表しているんだとしたら。
私は勢いよくベッドから起き上がると、お母さんのもとへ走った。
「お母さん、さっきのガラケー、ちょっとだけ貸して!」
驚くお母さんにそう言ってガラケーを受け取ると、私は急いで自分の部屋に戻った。
スマホの画面に表示された梨花の投稿と、手元にある古いガラケーを並べる。
画面は真っ暗だけれど、並んだボタンには数字と一緒に「あ・か・さ・た・な」とひらがなが印字されている。
耳元で、心臓の音がうるさいほど鳴り響いていた。
私はゆっくりと深呼吸をして、ガラケーのボタンの上に指を置いた。
真美や明里、千春、それに梨花や茉莉の投稿を眺めていた。
梨花と茉莉とは、体育祭の準備が始まる少し前に友達申請がきて繋がっていた。
そこまで親しいわけではなかったけれど、お互いの近況が見える距離にはいたのだ。
その中で、昨日の梨花の投稿に目が留まった。
そこには、
【4*0004*00033322555444*444411222】
と、意味の分からない数字と記号だけが並んでいた。
最初は文字化けかなとも思ったけれど、すぐに違うことがわかった。
茉莉がその投稿にコメントをしていたからだ。
茉莉のコメントは一言。
『仕方がないよ』
どういうことだろう。
胸の中がざわついて、不思議な感覚に陥る。
これは梨花と茉莉、二人の間だけで通じるなにか――そう確信した。
その日は結局、その数字が頭から離れず、胸騒ぎがしてなかなか寝付くことができなかった。
ーーーーーーーーーー
次の日。
部活を終えて、明里と少しだけ話をしていたときのことだった。
「そういえばさ、明里はこれどういうことだと思う? なんかずっと気になっちゃって」
私はスマホの画面を出し、昨日投稿されていたその数字を明里に見せた。
「あぁー、これ梨花の投稿だよね? 私も見たけど、なんだろうね……。数字でなにか暗号みたいな文章を作ってるのかな」
明里も首を傾げるだけで、それ以上のことは何もわからなかった。
明里と別れて家に帰り、リビングに入ると、お母さんが机に向かってなにやら作業をしていた。
「何してるの?」と覗き込むと、お母さんは見慣れない古いガラケーを操作していた。昔飼っていた犬の写真をガラケーから現像できると聞いて、わざわざ充電して起動させていたらしい。
懐かしい写真を見返して盛り上がった流れから、メールの話になった。
「昔はメールを送るとき、こうやって文字を打ってたんだよ」と、お母さんは楽しそうに実際の操作を見せてくれたのだ。
ボタンを何度もカチカチと連打して文字を変えたり、記号のボタンを押して濁点をつけたりする、その独特な打ち方。
「へえ、大変だったんだね」なんて返しながら、私は自分の部屋に戻った。
ベッドに寝転び、どうしても気になっていたスマホの画面を開く。
昨日からずっと頭を離れない、梨花の投稿。
【4*0004*00033322555444*444411222】
その数字と記号の羅列を眺めていた、その時だった。
さっきお母さんが見せてくれた、ガラケーのボタンの動きが、脳内で鮮烈にフラッシュバックした。
『4』の後に、濁点を表す『*』。
その後に続く、同じ数字の繰り返し。
「……もしかして」
心臓がドクンと大きく跳ねた。
もしこれが、あのガラケーのボタンを押す回数を表しているんだとしたら。
私は勢いよくベッドから起き上がると、お母さんのもとへ走った。
「お母さん、さっきのガラケー、ちょっとだけ貸して!」
驚くお母さんにそう言ってガラケーを受け取ると、私は急いで自分の部屋に戻った。
スマホの画面に表示された梨花の投稿と、手元にある古いガラケーを並べる。
画面は真っ暗だけれど、並んだボタンには数字と一緒に「あ・か・さ・た・な」とひらがなが印字されている。
耳元で、心臓の音がうるさいほど鳴り響いていた。
私はゆっくりと深呼吸をして、ガラケーのボタンの上に指を置いた。
