次の日、学校ではいつも通りに過ごした。
ありがたいことに、遥のほかにも友達ができて、みんなといる間は悲しい現実を忘れて笑えた。
けれど昼休み、スマホを見ると、雅人から昨日の返信が届いていた。
『最近なかなか連絡できなくてごめん。話したいことあるから、今日の夜また連絡する』
その文字を見た瞬間、胸がツンと痛んだ。
(あぁ……きっと、振られるんだな)
夜までに心の準備をしておけば、傷つかずに済むかもしれない。そう自分に言い聞かせ続けたけれど、結局、夜になっても覚悟なんてできていなかった。
ーーーーーーーーーー
『今部活終わったよ。電話じゃあまりうまく話せなさそうだから、LINEで話すね』
(え? LINEなんだ……)
少しだけ、期待してしまった。わざわざLINEで済ませるくらいだから、深刻な話じゃないのかもしれない、と。
けれど、その淡い期待を、雅人の言葉が容赦なく打ち砕く。
『高校に入学して最初の頃は柚那と会えていたけど、部活が始まって忙しくなって、会う時間もなくて連絡もなかなか返せなくて。このままじゃ柚那に申し訳ないと思った。俺の身勝手だけど、別れよう』
由紀から聞いたカラオケの話も、女の子の話も、ひとことも出てこない。
それっぽい理由を並べて、綺麗に終わらせようとしている。
私は静かに画面を見つめ、聞きたかったことを打ち込んだ。
『雅人の話は分かったよ。ひとつ聞きたいんだけど、いま付き合ってる子いるの? 友達から、雅人が他の人と付き合ってるって話を聞いたんだけど……それはどういうこと?』
数分後に返ってきたのは、必死な言い訳だった。
『付き合ってるやつなんていないよ! 一方的にLINEを送ってくるやつはいるけど、そいつのことかも』
何が本当で、何が嘘なのか、もう今の私にはわからなかった。
でも、ひとつだけ、確実にわかってしまったことがある。
仮に本当に浮気をしていなかったとしても。
他の女の子に声をかけたり、連絡先を交換して一方的にLINEを送られるような関係を作る時間は、あった。
私に連絡を返す、たった数秒の時間だけが、無かったんだ。
そう思った途端、すとんと、何かが腑に落ちた。
同時に、もう何もかもがどうでもよくなった。
『そうなんだね。私も最近なかなか雅人と会えなかったし、連絡も全然取れなくてもうダメかなと思ってた。こんな話をLINEで済ませようとしてるのもどうかと思うけど、これが最後だと思うから言っておくね。今までありがとう。楽しかったよ』
「嘘つき」と言ってやりたかった。問い詰めたかった。けれど、今の雅人に言ったところで、また言い訳を重ねるだけ。そう悟ったら、急に馬鹿らしくなった。
こうして、私たちのあっけない5ヶ月の恋は、光る液晶画面の中で幕を閉じた。
真っ暗になったスマホに、ひどい顔をした私が映っている。
明日から、私は一体どんな顔をして笑えばいいんだろう。
悲しみを断ち切った柚那。次のページから、新しい運命が動き始めます。ぜひ続きを見守っていただける方は、本棚登録をお願いします🌙
ありがたいことに、遥のほかにも友達ができて、みんなといる間は悲しい現実を忘れて笑えた。
けれど昼休み、スマホを見ると、雅人から昨日の返信が届いていた。
『最近なかなか連絡できなくてごめん。話したいことあるから、今日の夜また連絡する』
その文字を見た瞬間、胸がツンと痛んだ。
(あぁ……きっと、振られるんだな)
夜までに心の準備をしておけば、傷つかずに済むかもしれない。そう自分に言い聞かせ続けたけれど、結局、夜になっても覚悟なんてできていなかった。
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『今部活終わったよ。電話じゃあまりうまく話せなさそうだから、LINEで話すね』
(え? LINEなんだ……)
少しだけ、期待してしまった。わざわざLINEで済ませるくらいだから、深刻な話じゃないのかもしれない、と。
けれど、その淡い期待を、雅人の言葉が容赦なく打ち砕く。
『高校に入学して最初の頃は柚那と会えていたけど、部活が始まって忙しくなって、会う時間もなくて連絡もなかなか返せなくて。このままじゃ柚那に申し訳ないと思った。俺の身勝手だけど、別れよう』
由紀から聞いたカラオケの話も、女の子の話も、ひとことも出てこない。
それっぽい理由を並べて、綺麗に終わらせようとしている。
私は静かに画面を見つめ、聞きたかったことを打ち込んだ。
『雅人の話は分かったよ。ひとつ聞きたいんだけど、いま付き合ってる子いるの? 友達から、雅人が他の人と付き合ってるって話を聞いたんだけど……それはどういうこと?』
数分後に返ってきたのは、必死な言い訳だった。
『付き合ってるやつなんていないよ! 一方的にLINEを送ってくるやつはいるけど、そいつのことかも』
何が本当で、何が嘘なのか、もう今の私にはわからなかった。
でも、ひとつだけ、確実にわかってしまったことがある。
仮に本当に浮気をしていなかったとしても。
他の女の子に声をかけたり、連絡先を交換して一方的にLINEを送られるような関係を作る時間は、あった。
私に連絡を返す、たった数秒の時間だけが、無かったんだ。
そう思った途端、すとんと、何かが腑に落ちた。
同時に、もう何もかもがどうでもよくなった。
『そうなんだね。私も最近なかなか雅人と会えなかったし、連絡も全然取れなくてもうダメかなと思ってた。こんな話をLINEで済ませようとしてるのもどうかと思うけど、これが最後だと思うから言っておくね。今までありがとう。楽しかったよ』
「嘘つき」と言ってやりたかった。問い詰めたかった。けれど、今の雅人に言ったところで、また言い訳を重ねるだけ。そう悟ったら、急に馬鹿らしくなった。
こうして、私たちのあっけない5ヶ月の恋は、光る液晶画面の中で幕を閉じた。
真っ暗になったスマホに、ひどい顔をした私が映っている。
明日から、私は一体どんな顔をして笑えばいいんだろう。
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