車はゆっくりと坂道を上り、小高い丘の上にある駐車場へと滑り込んだ。
エンジンが切れ、車外へ出ると、ひんやりとした夜風が火照った頬を心地よく撫でた。
「こっち」
柊に促されるまま少し歩いていくと、視界がぱっと開け、眼下に息をのむような絶景が広がった。
「……すごいきれい!!」
思わず感嘆の声が漏れる。暗闇の中に散りばめられた街の灯りが、まるで宝石箱をひっくり返したようにきらきらと輝いていた。
「きれいだろ? ここ、穴場なんだよ」
隣に立つ柊が、誇らしげに目を細める。
どこまでも広がる夜景の眩しさにうっとり見とれていると、ふいに隣の気配がこちらを向いた。
「今日も、すっごく楽しかった」
静かな声に振り返ると、夜景の光を反射させた柊の瞳が、まっすぐに私をとらえていた。
「学校でも毎日会ってるけどさ。こうやって二人で出かけて、帰る頃になると……いつも『もっと柚那ちゃんと一緒にいたい』って思うんだ」
いつもより少し低くて真剣なトーンに、胸の奥がドクンと音を立てる。
1時間も歩かせてしまったことを必死に申し訳なさそうに気遣ってくれたあの日や、今日のスマートなエスコート。柊のストレートな優しさに触れるたび、私の心は少しずつほぐれていた。
「俺、柚那ちゃんのことが好きだよ。俺と付き合ってください」
まっすぐな愛の告白。
彼の瞳に映る自分の姿を見つめながら、私はそっと頷いた。
「……こんな私でよければ、よろしくお願いします」
照れくささに少しうつむきながらそう答えると、柊はハッとしたように目を見開いたあと、パッと満面の笑みを浮かべた。
「よかった……! ありがとう!」
心底安堵したように息を吐くと、柊はぎゅっと私の両手を包み込んで引き寄せた。
「柚那ちゃんは『こんな』なんかじゃないよ。すっごくかわいいし……俺にとっては、高嶺の花だよ」
思いがけない言葉に、顔が一気に熱くなる。
「大好きだよ」と愛おしそうに囁いた柊は、そっと私の頬に手を添え、ゆっくりと唇を重ねてきた。
夜風の冷たさとは対照的な、甘くてあたたかい温もり。
唇が離れたあとも、二人で照れくさそうに笑い合った。
それから彼は私の家の近くまで安全に送ってくれ、「今日はありがとう。また連絡するね」と名残惜しそうに車を走らせていった。
自宅に入り、自分の部屋にたどり着くやいなや、私は跳ねる心臓を押さえながらスマホを取り出した。
一番に報告したかった大切な親友ふたり――明里と、専門学校で出会った優奈にメッセージを送る。
『柊と付き合った!』
送信すると、すぐに画面に通知が跳ねた。
『おめでとー!! 詳しく聞かせて!!』
『詳しくは会ったときに話すよ!』
画面に躍る祝福の文字を見つめながら、私は今日一番の笑顔でベッドに倒れ込んだ。
エンジンが切れ、車外へ出ると、ひんやりとした夜風が火照った頬を心地よく撫でた。
「こっち」
柊に促されるまま少し歩いていくと、視界がぱっと開け、眼下に息をのむような絶景が広がった。
「……すごいきれい!!」
思わず感嘆の声が漏れる。暗闇の中に散りばめられた街の灯りが、まるで宝石箱をひっくり返したようにきらきらと輝いていた。
「きれいだろ? ここ、穴場なんだよ」
隣に立つ柊が、誇らしげに目を細める。
どこまでも広がる夜景の眩しさにうっとり見とれていると、ふいに隣の気配がこちらを向いた。
「今日も、すっごく楽しかった」
静かな声に振り返ると、夜景の光を反射させた柊の瞳が、まっすぐに私をとらえていた。
「学校でも毎日会ってるけどさ。こうやって二人で出かけて、帰る頃になると……いつも『もっと柚那ちゃんと一緒にいたい』って思うんだ」
いつもより少し低くて真剣なトーンに、胸の奥がドクンと音を立てる。
1時間も歩かせてしまったことを必死に申し訳なさそうに気遣ってくれたあの日や、今日のスマートなエスコート。柊のストレートな優しさに触れるたび、私の心は少しずつほぐれていた。
「俺、柚那ちゃんのことが好きだよ。俺と付き合ってください」
まっすぐな愛の告白。
彼の瞳に映る自分の姿を見つめながら、私はそっと頷いた。
「……こんな私でよければ、よろしくお願いします」
照れくささに少しうつむきながらそう答えると、柊はハッとしたように目を見開いたあと、パッと満面の笑みを浮かべた。
「よかった……! ありがとう!」
心底安堵したように息を吐くと、柊はぎゅっと私の両手を包み込んで引き寄せた。
「柚那ちゃんは『こんな』なんかじゃないよ。すっごくかわいいし……俺にとっては、高嶺の花だよ」
思いがけない言葉に、顔が一気に熱くなる。
「大好きだよ」と愛おしそうに囁いた柊は、そっと私の頬に手を添え、ゆっくりと唇を重ねてきた。
夜風の冷たさとは対照的な、甘くてあたたかい温もり。
唇が離れたあとも、二人で照れくさそうに笑い合った。
それから彼は私の家の近くまで安全に送ってくれ、「今日はありがとう。また連絡するね」と名残惜しそうに車を走らせていった。
自宅に入り、自分の部屋にたどり着くやいなや、私は跳ねる心臓を押さえながらスマホを取り出した。
一番に報告したかった大切な親友ふたり――明里と、専門学校で出会った優奈にメッセージを送る。
『柊と付き合った!』
送信すると、すぐに画面に通知が跳ねた。
『おめでとー!! 詳しく聞かせて!!』
『詳しくは会ったときに話すよ!』
画面に躍る祝福の文字を見つめながら、私は今日一番の笑顔でベッドに倒れ込んだ。
