合流までに一時間近く夜道を歩くことになって足はくたくただったけれど、遅れてしまった分を取り戻そうと必死に気を遣ってくれる彼と過ごしていると、その疲れもいつの間にか和らいでいった。
地元の近くで済ませた食事中も、柊は私を楽しませようと色々な話をしてくれた。帰り道、私の家の近くまで送ってもらう車内でも途切れることなく会話が弾んだ。
「今日はありがとう。じゃあ、また学校で」
「うん、また学校でね」
家の近くで車を降りて手を振り、走り去る車の後ろ姿を見送って歩き始めた私のスマホが、小さく震えた。
帰宅途中のはずの柊からのメッセージだった。
『今日はたのしかった。またごはんでも行こうな』
画面の文字を見つめて、思わず口元が緩んでしまう。私も同じように楽しかったから、そのストレートな言葉が素直に嬉しかった。
それから学校で顔を合わせる日常に戻っても、次に二人で出かける日はそう遠くなかった。
今度は、柊の地元の方で食事をすることになったのだ。
当日、私の地元まで車で迎えに来てくれた柊の助手席に乗り込み、彼の地元へと向かって車を走らせる。
「わざわざこっちまで来てもらうの、悪かったかな」
申し訳なさにそう呟くと、ハンドルを握る彼は「全然! 俺が柚那ちゃんに自分の地元、案内したいだけだから」とニカッと笑ってくれた。
隣の県とはいえ、車で移動する時間はどこかちょっとした旅行のような気分で、私の胸は密かにワクワクしていた。
彼の運転する車内には心地よい香りが漂っていて、流れる音楽も相まってとても居心地が良い。目的地に着くまでの間、柊は窓の外に見える地元の名所や、昔のちょっとしたエピソードを楽しそうに紹介してくれた。
私はその横顔を眺めながら、彼との距離がまた少し近づいたような気がして嬉しかった。
連れて行ってもらったのは、彼が事前に予約してくれていた少し大人びた雰囲気の鉄板焼き屋さんだった。
目の前の大きな鉄板で鮮やかに調理される料理に目を輝かせながら、私たちは心ゆくまで楽しい時間を過ごした。会話のテンポも驚くほど合うし、彼のエスコートはとても自然でスマートだった。
美味しかったね、と満足感に包まれながら店をあとにして車に乗り込む。
シートベルトを締めた柊が、ふとエンジンをかける前に少し照れたように私を見た。
「あのさ……あとひとつ、連れていきたいところがあるんだけど、いい?」
思いがけない言葉に、私の心臓がトクンと小さく跳ねる。
「うん、いいよ」
それがどこなのかも聞かずに、私は頷いていた。
どこへ連れていってくれるんだろうという小さな胸の高鳴りと、彼とならもう少し一緒にいたいという素直な気持ちが、私を後押ししていた。
「そっか。よかった」
柊は嬉しそうに微笑むと、ゆっくりとハンドルを切り、夜の街へと車を走らせた。
地元の近くで済ませた食事中も、柊は私を楽しませようと色々な話をしてくれた。帰り道、私の家の近くまで送ってもらう車内でも途切れることなく会話が弾んだ。
「今日はありがとう。じゃあ、また学校で」
「うん、また学校でね」
家の近くで車を降りて手を振り、走り去る車の後ろ姿を見送って歩き始めた私のスマホが、小さく震えた。
帰宅途中のはずの柊からのメッセージだった。
『今日はたのしかった。またごはんでも行こうな』
画面の文字を見つめて、思わず口元が緩んでしまう。私も同じように楽しかったから、そのストレートな言葉が素直に嬉しかった。
それから学校で顔を合わせる日常に戻っても、次に二人で出かける日はそう遠くなかった。
今度は、柊の地元の方で食事をすることになったのだ。
当日、私の地元まで車で迎えに来てくれた柊の助手席に乗り込み、彼の地元へと向かって車を走らせる。
「わざわざこっちまで来てもらうの、悪かったかな」
申し訳なさにそう呟くと、ハンドルを握る彼は「全然! 俺が柚那ちゃんに自分の地元、案内したいだけだから」とニカッと笑ってくれた。
隣の県とはいえ、車で移動する時間はどこかちょっとした旅行のような気分で、私の胸は密かにワクワクしていた。
彼の運転する車内には心地よい香りが漂っていて、流れる音楽も相まってとても居心地が良い。目的地に着くまでの間、柊は窓の外に見える地元の名所や、昔のちょっとしたエピソードを楽しそうに紹介してくれた。
私はその横顔を眺めながら、彼との距離がまた少し近づいたような気がして嬉しかった。
連れて行ってもらったのは、彼が事前に予約してくれていた少し大人びた雰囲気の鉄板焼き屋さんだった。
目の前の大きな鉄板で鮮やかに調理される料理に目を輝かせながら、私たちは心ゆくまで楽しい時間を過ごした。会話のテンポも驚くほど合うし、彼のエスコートはとても自然でスマートだった。
美味しかったね、と満足感に包まれながら店をあとにして車に乗り込む。
シートベルトを締めた柊が、ふとエンジンをかける前に少し照れたように私を見た。
「あのさ……あとひとつ、連れていきたいところがあるんだけど、いい?」
思いがけない言葉に、私の心臓がトクンと小さく跳ねる。
「うん、いいよ」
それがどこなのかも聞かずに、私は頷いていた。
どこへ連れていってくれるんだろうという小さな胸の高鳴りと、彼とならもう少し一緒にいたいという素直な気持ちが、私を後押ししていた。
「そっか。よかった」
柊は嬉しそうに微笑むと、ゆっくりとハンドルを切り、夜の街へと車を走らせた。
