専門学校に入学した当初の緊張もどこへやら、少しずつ私は新しい学校生活に馴染んできていた。
『今日から実習! 緊張するー(泣)』
『柚那なら大丈夫だよ。無理しすぎないでね』
明里とは、今でも頻繁に連絡を取り合っている。メッセージのやり取りだけでも、彼女が毎日楽しそうに過ごしている様子が伝わってきて、私まで嬉しくなる。
そして、勇斗も。
彼もまた、新しい環境で自分の歩幅で進んでいるようだった。
離れていても、それぞれの場所で頑張っている。その事実が、今の私の密かな支えになっていた。
けれど、お互いの新生活が本格的になるにつれて、「今連絡したら邪魔かな」「忙しいよね」と余計な遠慮が生まれてしまい、私から連絡をする頻度は、自然と減っていった。
それでも勇斗は、時々気遣うようにメッセージをくれていた。
画面越しに伝わってくるその変わらない優しさに、いつも救われている気がした。
学校では、優奈のほかに新たに二人の友人ができた。
私たちはよく四人で一緒に授業を受け、お昼休みも行動を共にするようになり、毎日賑やかな日々を送っていた。
そして、柊。
彼とは出席番号が近いという縁もあって、隣の席になることが多かった。
お互いに人見知りせずに話せるタイプだったこともあり、他愛のない会話をごく自然に交わせる関係になっていた。
ーーーーーーーーーー
ある日の授業終わり。
帰り支度をして教室を出ようとしたとき、同じクラスの千恵ちゃんに、柊が小走りで声をかけにいく姿が目に入った。
(急いで、どうしたんだろう?)
少し気になりながらも、私たちは教室を出るために二人の横を通り過ぎる。
その瞬間、二人の会話が不意に耳に飛び込んできた。
「ねえ、もしよかったらLINE教えてくれない?」
少しトーンを落とした、柊の声。
いつもの柔らかくて人懐っこい雰囲気とは違う、どこか『男の子』を感じさせる響き。
それは間違いなく、千恵ちゃんに連絡先を聞いている言葉だった。
そのあと優奈たちと一緒に駅まで帰り、別れたあと。
私は一人で電車に揺られながら、さっきの光景をぼんやりと思い返していた。
(柊って、千恵ちゃんのこと気になってるのかな……)
普段から誰に対しても人当たりが良く、穏やかな笑顔を向けてくれる彼。
誰とでもすぐ仲良くなれる人なんだろうとは思っていたけれど、あんな風に自分から他の女の子に声をかけるような一面もあるんだなと、少しだけ胸の奥がざわついた。
学校という新しい世界で、みんなそれぞれに新しい人間関係を作っている。
それは、当たり前のこと。
それなのに、なぜかほんの少しだけ、自分だけが取り残されたような迷子になった気分になって。
私は小さく息を吐き、ガタンゴトンと響く電車の揺れに身を任せた。
『今日から実習! 緊張するー(泣)』
『柚那なら大丈夫だよ。無理しすぎないでね』
明里とは、今でも頻繁に連絡を取り合っている。メッセージのやり取りだけでも、彼女が毎日楽しそうに過ごしている様子が伝わってきて、私まで嬉しくなる。
そして、勇斗も。
彼もまた、新しい環境で自分の歩幅で進んでいるようだった。
離れていても、それぞれの場所で頑張っている。その事実が、今の私の密かな支えになっていた。
けれど、お互いの新生活が本格的になるにつれて、「今連絡したら邪魔かな」「忙しいよね」と余計な遠慮が生まれてしまい、私から連絡をする頻度は、自然と減っていった。
それでも勇斗は、時々気遣うようにメッセージをくれていた。
画面越しに伝わってくるその変わらない優しさに、いつも救われている気がした。
学校では、優奈のほかに新たに二人の友人ができた。
私たちはよく四人で一緒に授業を受け、お昼休みも行動を共にするようになり、毎日賑やかな日々を送っていた。
そして、柊。
彼とは出席番号が近いという縁もあって、隣の席になることが多かった。
お互いに人見知りせずに話せるタイプだったこともあり、他愛のない会話をごく自然に交わせる関係になっていた。
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ある日の授業終わり。
帰り支度をして教室を出ようとしたとき、同じクラスの千恵ちゃんに、柊が小走りで声をかけにいく姿が目に入った。
(急いで、どうしたんだろう?)
少し気になりながらも、私たちは教室を出るために二人の横を通り過ぎる。
その瞬間、二人の会話が不意に耳に飛び込んできた。
「ねえ、もしよかったらLINE教えてくれない?」
少しトーンを落とした、柊の声。
いつもの柔らかくて人懐っこい雰囲気とは違う、どこか『男の子』を感じさせる響き。
それは間違いなく、千恵ちゃんに連絡先を聞いている言葉だった。
そのあと優奈たちと一緒に駅まで帰り、別れたあと。
私は一人で電車に揺られながら、さっきの光景をぼんやりと思い返していた。
(柊って、千恵ちゃんのこと気になってるのかな……)
普段から誰に対しても人当たりが良く、穏やかな笑顔を向けてくれる彼。
誰とでもすぐ仲良くなれる人なんだろうとは思っていたけれど、あんな風に自分から他の女の子に声をかけるような一面もあるんだなと、少しだけ胸の奥がざわついた。
学校という新しい世界で、みんなそれぞれに新しい人間関係を作っている。
それは、当たり前のこと。
それなのに、なぜかほんの少しだけ、自分だけが取り残されたような迷子になった気分になって。
私は小さく息を吐き、ガタンゴトンと響く電車の揺れに身を任せた。
