君といた日々。

16
「その勇者は海の悪い魔法使いと戦って、倒す為に海に向かったの。」

フィオナの読み聞かせもそろそろ終わりを迎える。

まるで子供に聞かせているようだ。 

絵本に書いてある言葉一つ一つを丁寧に話しているから、聞きやすい。

「魔法使いは、海を操って攻撃をしてきたみたいなの。」

「津波を起こしてたってこと?」

「そう!勇者は、その津波を伝説の剣で跳ね返して、海の悪い魔法使いを倒したの。」

「…」 

次が最後のページだ。

そこには、勇者が倒れていて周りに人が集まってる絵と、勇者の手が握られている絵があった。

結末は、この絵を見ただけで分かった。

きっと、魔法使いとの戦いで、大怪我を負ったんだ。

よく見ると、伝説の剣も折れている。

「海の悪い魔法使いと戦った勇者は倒れました。
でも最期は、周りの人達からありがとうって言われながら眠りについたみたい。」

パタンとフィオナが絵本を閉じる。

なんだか、ちょっと切ない伝説だった。