君といた日々。

8
それから僕達は、図書館に続く坂道をぐんぐんと登っていった。

「ふえ〜…本当に坂道だったね…!」

「大丈夫?」

僕はフィオナが干からびてしまわないか、心配になった。

人魚は干からびてしまうと、最悪死ぬ事がある。

「水浴びたほうがいいんよね?水魔法でやってみるよ。」

「いいの?ありがとう!」

やはり、少しきつかったのだろう。
海に入る前も大分歩いたから、水分を十分に補給できていないのかもしれない。

「こっち、おいで。」

フィオナの元へと歩み寄り、手招きをする。

「ここに座って?」

「うん!」

フィオナを近くにあったベンチに座らせ、水魔法の準備をする。

手に魔力を貯め、雫を頭の中でイメージすると、
水が出てきた。

「やった…!」

一度コツを掴むと、直ぐにできるようになる。

…とはいかず、気を緩めた瞬間滝のような勢いで水が出てきた。

「あわっ…!」

フィオナもびっくりしている。

慌てて水魔法を出すのをやめ、フィオナに謝る。

「ご、ごめん!フィオナ!大丈夫…?」

「あははっ!大丈夫、大丈夫!」

笑いながらそう言う姿を見て、少し安心する。

心なしか、顔色が良くなってきているような気がする。

突然フィオナが顔を上げ、僕と目があった。

「んふふっ」

「ん?」

なんだろうと思い、首を傾げると、満面の笑みを向けられた。

「ありがとう!」

(可愛い…)

「…うん。フィオナは、人魚だから。半魚人でも、普段は水の中で生きてるんだからね。」

「ふふっ」

「あ、待ってて!タオル持ってくる!」

「は〜い!」