あの時間を忘れる方法が あるなら

今日柊さんが帰って来たらこの事を1番に伝えたい‥‥
もう柊さんと莉奈さんは大丈夫だからって‥‥

でもそしたら私の役目は‥‥

夕食を冨田さんと作っていると、スマホが着信を告げ柊さんからだったのでキッチンから離れた場所で電話に出た

「柊さんお疲れ様です。どうされました?」

『‥‥莉奈が‥目を覚ました。』

‥‥えっ?

一瞬回りの音も全て消え去るかのような感覚に襲われ思考が停止してしまう

莉奈さん‥が‥‥目を覚ました?

『聞こえてるか?今から車をそっちに向かわせるから出かけられる準備をしておいて欲しい。』

返事をしたいのに、思うように声が出せず何とか返事をするとすぐに電話が切れてしまい、暫くわたしはその場から動けなかった

なんでこんなに落ち込むの‥‥?

目が覚めるのをずっと待ってたんだから喜ぶべき事なのに、何で‥こんなにも胸が苦しくなるのだろう‥‥

分かってた事なのに思っていたよりも突然目の前に押し寄せる柊さんとの別れが寂しくて苦しくてツラい‥‥

『長浜さん!!どうかしたんですか?顔色が真っ青です!』

力なくその場に座り込んでいた私の元に冨田さんが気付いて駆け寄ってくれると、心配かけたくなくて無理やり笑顔を作った

「大丈夫です、本当に‥大丈夫ですよ。少し出掛けて来ますので夕食までに戻らなかったら帰ってから頂きます。」

何とか立ち上がると、迎えが来るまでに準備をしないといけないと動きやすい服に着替えてから迎えに来てくれた車に乗り込んだ