あの時間を忘れる方法が あるなら

理由は教えてもらえなかったけれど、私が会った他に運転手の男性を加えた人数でずっと変わらず生活をしているそうだ

そんな場所に私なんかがすんなりと入れた事に違和感を覚えつつも、6時半の朝食に間に合うように冨田さんのお手伝いをさせてもらい、6時に柊さんの部屋をノックした

向こうのマンションでも、朝が苦手な柊さんの部屋をノックして起こすことをしていた為、すでに癖になっている

「柊さん、起きてください。お時間ですよ」

少し待ってても返事が聞こえない為静かにドアを開けると、ベッドで眠る姿に何故かホッとしつつも柊さんの肩を軽くトントンと叩いた

「柊さん?起きれますか?」

『‥‥‥ん』

「着替えてからサンルームにいらしてくださいね。朝食準備して来ますから。」

美しい寝顔をシーツから覗かせうっすらと瞳を開けたので笑顔を向けると伸びて来た手に引っ張られ、そのまま柊さんが私を抱き締めた

「し‥柊さん!?」

鼻いっぱいに香る柊さんの匂いに赤面しながらもバタバタしていると、クスクスと笑い声が聞こえて来た

「ッ‥起きてたんですか?」

『今起きた‥‥朝からそんな可愛い顔を見せる君が悪い。』

「な!何言ってるんですか‥ッ‥私先に行きますから早く起きて来てくださいね!?」

これ以上の密着は心臓に悪いと思い慌てて離れると、急いでその部屋を飛び出した

あんな色っぽい寝起きの顔でなんて台詞を言うのだろうと熱くなった顔をパタパタさせ歩いていると、廊下の向こうから来た若草色のお着物に身を包んだお母様と目が合い慌てて頭を下げた