あの時間を忘れる方法が あるなら

17年前

当時、私は母と一緒に田舎のおばあちゃんの家に夏休みを使って遊びに来ていた。

母は当時弟がお腹の中にいて身重だった為、私は1人で山でクワガタやカブトムシなどを捕まえたりしながら過ごしていた

その日もいつものように山で遊んでいたら、あの男の子に出会ったのだ

顔はよく覚えていないけど、身なりだけはしっかりしていたのだけは覚えている‥

その子は私を見つけると、咄嗟に手を掴み大きな杉の木の陰に私を引っ張り口元を押さえられた

『ごめんね。今‥男の人の元から逃げて来て見つかるわけにはいかないんだ。だから静かに出来るかい?』

幼いながらにも、額に汗が滲む男の子がとても嘘をついているようには思えなくて首を何度も縦に振ると、ゆっくりと手を離してからホッとしたように溜息を溢す

話しちゃダメだと分かると、私は肩からかけていた水筒を男の子に差し出すと、その子は喉がカラカラだったのか一気に半分以上を飲み干していくのを眺めていた

その時、大人の男の人の声が聞こえると、男の子が震え始めたので、心配になった私は暫く考えたがこのまま走ればおばあちゃん家が近いと思い男の子の手首を握って走ることにしたのだ

『おい!!居たぞ!!』

「走って!!おばあちゃん家がすぐそこなの!!」

大人の男性から逃げようと必死で走り、視界に家が数件見え始めるとそれに気を取られて2人は足を滑らせて暫く山の斜面を転げ落ちてしまった

『ッ!!‥大丈夫‥って‥君!血が!!』

「いい!大丈夫だから早く!!」

頭がズキズキと痛むけど幸い走れたから、また男の子と手を繋ぐと一軒家の陰に2人で隠れた