あの時間を忘れる方法が あるなら

「ん‥‥‥」

気怠さがかなり残る体は、まるで前日にハードな山登りを終えたかのような感覚で、起きあがろうにも力が入らない

あんな事をあんなにも沢山するから‥‥

意識が飛ぶ程深く激しく愛され、柊さんの底なしの体力を改めて感じたが‥‥一体いつ体づくりをしてるんだろう‥‥

隣に彫刻のように美しい顔で気持ちよさそうに眠る柊さんの上半身についた程よい筋肉を見つめながらそっと胸元に手を触れさせた

『フッ‥‥まだ足りなかったか?』

ドキッ

さっきまでしっかりと閉じられていたはずの瞳がしっかりと開いていて思わず手を引っ込めたものの簡単に組み敷かれてしまう

「ッ‥起きてたんですか?」

上半身どころか下半身も下着一枚しか身に付けていない柊さんのどこを見ればいいのか分からず両手で顔を覆う

そうでもしないと、抱かれていた時のことを嫌でも思い出してしまいそうだったから

『すまない‥‥いい大人なのに抑えが効かなかったから無理させたな。でも‥君も満更でもなさそうだったがな?』

起きたてでそんな恥ずかしい事を言われ首をブンブンと横に振ると、真上で柊さんが嬉しそうに喉を鳴らして笑っていた

『今日はゆっくりしよう‥‥君のマンションの荷物もここに運ばないといけないしね』

リップ音をたてて私のおでこに唇を落とした柊さんは起き上がるとバスローブを羽織りシャワーを浴びに行ってしまった

私‥ここでちゃんとやっていけるかな‥‥

川崎不動産は日本だけでなく世界にも進出する大企業だ。今のままの立ち居振る舞いで成り立つか不安で仕方ない