あの時間を忘れる方法が あるなら

『あんたのばあさん‥定期的に訪れるこの男性に意識が混濁するような薬を打たれていたんだな‥‥。施設の人はおばあさんの親戚だと伝わってるそうだ。何回か隠し撮りしたらまさかこんな音声が撮れるなんてな‥‥。あとは川崎さん、あんたに任せるから帰るよ。犯人が逃げないように見張っとかないとな。‥結愛、また時々帰ってこいよ?』

辰哉君に頭を撫でられ笑顔で頷くと、カーテンを開け、着慣れない白いシャツのボタンを緩めながら部屋から出て行ってしまった。

『八雲』

『はい、会長』

『今すぐ警察に犯人を捕まえるよう伝えろ。それに薄汚れた心で我が家に足を踏み入れたあの女も捕まえろ』

『嫌ー!!辞めて!!柊さん!!話を聞いて!?私だって利用されてたのよ!?私だって被害者じゃない!!ッ!離してよ!!』

部屋の外から入って来た黒服のSPのような男性3人に莉奈さんは押さえつけられながらも、柊さんに向けて涙を流しながら声を荒げる姿に、お母様が立ち上がると莉奈さんの頬を思いっきり引っ叩いた

『喚くなら刑務所で思う存分しなさい。』

『ッ!!嫌‥‥柊さん!!嫌‥嫌よ!!お願い‥私の事を大切って言ったのに嘘だったの!?』

連れ去られながらも柊さんに懇願する莉奈さんに彼は見せつけるようにワザとか私を抱き寄せると傷痕が残る場所に唇を寄せてきた

『最後まで自分の事しか考えないんだな。もういい‥連れて行け』

莉奈さんが泣き喚く声が暫く聞こえる間、柊さんはずっと遠くを見るように溜息を吐くともう一度私を抱き締めた