あの時間を忘れる方法が あるなら

柊さんの実家‥!?そんなところに見ず知らずの私と辰哉君が行ったって追い返されるかもしれない‥‥

それに今日はお父様も見えるとなると、本家は相当バタバタしてるはず

『説明は車の中でする。川崎に連れて来いと言われてるから行くぞ』

「えっ!?ちょっと辰哉君!!」

強引にマンションから連れ出されると車の中で変装として被らされたボブにパーマがかかったウィッグや伊達メガネを付けさせられ、訳も分からないうちにあっという間に本家に着いてしまった

『俺は三河屋として川崎が仕入れたお酒をもってきた。結愛は、話はしてあるから日雇いのお手伝いとして何食わぬ顔でそこにいればいい』

「本当に訳が分からないよ。なんでこんな事
するの!?」

柊さんと莉奈さんが仲睦まじく柊さんのご両親と食事をする場で冷静で居られる自信すらない

‥‥なんで柊さんは私を呼んだの?

『結愛、川崎の事を信じられないか?』

えっ?

両肩を辰哉君に掴まれると、パニックになりかけていた私と目線を合わせて真っ直ぐと見て来た辰哉君に柊さんの事を沢山考えた

信じて待ってて欲しい‥‥確か1週間前にそう言っていた‥‥

『俺はアイツの事は気に食わない。でもお前の事だけは何よりも大切に思ってるのは伝わってる。結愛だけは信じてやらないと駄目なんじゃないか?』

辰哉君‥‥

目に涙が溢れた私の目元を乱暴に自分の袖で拭ってくれると、2人で門をくぐり、指示された場所へ荷物を運びながら懐かしいあのお屋敷の中に入った