あの時間を忘れる方法が あるなら

柊side

『柊さん!!どうしてそんなに冷たいの!?』

椅子に腰掛けた俺のそばまで近寄る彼女は目に涙を溜めて甘えた声を出すが、面白いくらいに何も響かない

彼女と向き合えば向き合うほどに結愛に申し訳ない事をした気持ちが膨らむばかりだ

何故出会った時に長浜莉奈の嘘を見抜けなかったのかと思うと自分が情けない

どう考えても人の為に動いた少女と違ったはずなのに、話を聞いただけで舞い上がっていたなんて‥‥

『何度も言う‥ここは仕事をする場所であってイジメをする場所でも遊びに来る場所でもない。八雲や佐々木秘書の仕事量に比べて莉奈、君は何をしてくれている?』

『ッ!‥それは‥‥言ったでしょう?眠っている間に色々出来なくなったから時間がかかるって!』

俺のカードを自分のもののように使い高級ブティックやコスメ、ジュエリーなど買い漁る頭は残っているということか‥‥

『もういい‥‥この話は終わりだ。』

『柊さん!ありがとう‥‥ねぇ‥今日は泊まりに行ってはダメかしら?そろそろ私達‥』

『両親に会うまではそういうのはやめよう。それにまだ君は色々できないほどに体も回復してないようだからな。もう今日は帰っていい。運転手に別荘まで送らせる』

鋭い視線を送る莉奈を無視してパソコンに向かい仕事をし始めると、踵を返して莉奈は社長室を出て行ったのを確認してあるところに電話をかけた

『‥‥長浜莉奈を監視しろ。』

『(了解)』

柊side end