あの時間を忘れる方法が あるなら

私と柊さんの間に立ち、懇願するように柊さんの腕に手を絡ませ見上げる莉奈さんを少し可哀想な人だと思ってしまう

人に好かれたいなら人が嫌がる事をするべきじゃないのに、どうしてこんなに突っかかるのだろうと‥‥

「社長‥私はすぐ仕事に戻りたいのでありがたいですがジャケットは必要ありません。ロッカーに着替えがありますのですぐ行って来ます」

『待て。‥透けているから羽織って行け。』

えっ?

言われるまで気付かなかったが、胸元の部分が濡れた事により下着が透けてしまい慌てて両手で覆う

危なかった‥‥
このまま下の階に行って常務や専務に会っていたら見られてしまったかもしれない‥


『長浜さんはもう帰れ。仕事の邪魔だ。佐々木秘書、午後のスケジュール確認をしたい。後で社長室に来てくれ』

「かしこまりました」

『柊さん!!ごめんなさい!わざとじゃないの!!柊さん!!待って!!?』

社長室に背を向けて歩く社長をピンヒールを履いた莉奈さんが追いかけていくのを見送り私は急いで着替えに向かい、社長のジャケットはそのままクリーニングに出す事にした