あの時間を忘れる方法が あるなら

立ちあがろうとした私は、手を強く引き寄せられた事で座っていた場所ではなく柊さんの膝の上に座る事になってしまい恥ずかしさから逃げようとするものの逆効果でそのままソファに押し倒されてしまった

「ッ‥し、柊さん?」

『そんな簡単には騙されない』

ドクン

見惚れてしまうほど綺麗な顔で真上から見下ろされ両手はそれぞれ柊さんの手に押さえつけられ逃げられない

『誰かの為に動く君が考えてる事なんてお見通しだ。1人でもう一度あの施設に行くつもりだったんだろう?』

「ッ!」

目を見開いた後しまったと思ったのも束の間、柊さんは盛大に溜息を溢した後私の鼻の頭を甘噛みしてきた

なんで柊さんには分かってしまったんだろう?

おばあちゃんの家に泊まると言っただけなのに?

「‥‥柊さんを‥ッ‥苦しみから早く解放して
あげたいんです」

『そう思う君の優しさはとても好きだ‥‥しかし、俺を攫ったヤツはナイフやスタンガンも持っていた。今だって俺の手から逃げられない君が勝てる相手ではないのは分かるだろう?』

確かに‥施設で見た男性は大柄で私なんて力では太刀打ち出来ないのは分かってる

でもこのまま何も収穫もないまま帰るという事は柊さんはまた莉奈さんと暫くいつものように
過ごさないといけないのだ

何も言わなくても疲れが滲み出てるのは伝わってる‥‥信じていた人が嘘をついていたと分かってその為に色々してきた人だかはこそ一日も早く解放させてあげたい