あの時間を忘れる方法が あるなら

心配になり柊さんの手にそっと触れると、すぐに柊さん手が私の手を包み込みギュッと握ってくれた

『当時、事件を公にしなかったのは、父が海外に進出する大切な時期で株価や評価の一つで契約が破断する恐れがあったからだ。まさかその犯人がここに居たことも驚いたが、長浜莉奈の育ての親と繋がりがある以上むやみに動くのは危険だと思った。俺やいつもそばにいる八雲の顔も知られてる可能性があるからな』

『では今後はどのようになさいますか?』

『‥‥ここまで来たが一旦持ち帰ろう』

『かしこまりました。』


私なら大丈夫な気がする‥‥
柊さんを助けたのは子供の頃だし、顔はバレていないはず。2人が動けないなら私が動いたほうが安全だ‥

八雲さんが部屋を出て行くのを見届けると、柊さんが包んでくれていた手を今度は私が両手で握った


「あの!‥私今日‥おばあちゃんの家に泊まってはダメでしょうか?その‥久しぶりですし」

『‥‥ダメなわけないだろう?君にとっておばあさんは大切な家族なんだから。』

良かった‥‥
これで施設にもう一度戻って色々調べられる

柊さんの為に何か出来ることがあるならしてあげたいのだ

彼に出会って恋をして大切な存在だと思う事が出来て辛くて忘れようとしていた時間を忘れずに今へと繋ぐ事が出来た

なら、次は柊さんが忘れたいと思っているあの子供の頃の時間を忘れさせる為に何かを乗り換えていかないといけない気がする

「それでは私はこれで」

『結愛』

ドキッ