あの時間を忘れる方法が あるなら

抱き締められた時に聞こえた柊さんの心音はかなり早く少し震えているようでたまらなく心配になり背中を優しく何度もさする

一体どうしたというのだろう‥‥

あんなに強くて賢い柊さんがまるで子供のように幼く見えてしまうなんて‥‥幼い?‥‥えっ?‥もしかして‥‥

『八雲に電話する。聞き込みは危険だからと伝えなくては‥‥すまないが一旦ホテルに戻ろう』

顔色が悪い柊さんを支えておばあちゃんの家まで戻り八雲さんの運転で隣街のホテルに到着すると、柊さんは少しは落ち着いたもののソファに体を深く預けてもたれた

『社長‥一体どうされたんですか?』

2人に冷たいお茶を淹れて差し出し一緒にソファに腰掛けると、柊さんはそれを一気に飲み干し大きな溜息を吐いた

『結愛、さっきあの男の写真を撮っていただろう?もう一度見せてくれないか?』

「ッ‥分かりました。」

スマホを取り出してその画面を八雲さんも見えるようにテーブルに置くと、柊さんはその画像を暫く見たあと顔を上げた

『信じられないかもしれないが‥‥この顔を見て思い出したよ。17年前俺を誘拐した犯人のうちの1人で間違いないと思う』

‥ッ‥嘘ッ!!!

信じられない気持ちで八雲さんと顔を見合わせてから柊さんを見つめると、その画面を拡大してから深く頷いたが私はまだ信じられない気持ちでかなり動揺してしまう

『勿論当時に比べたら老けてはいるけれど、監禁されていた数時間だけでも恐怖の中見たものは忘れることなど出来ない』

柊さん‥‥