あの時間を忘れる方法が あるなら

週末、社用車や自家用車で移動すると目立つ為、レンタカーを借りて柊さんと八雲さんがあの街まで朝早くやってきた

私は、万が一の為、一緒に移動すると見られる可能性があったから前日の夜に電車でおばあちゃんの家に来ていたのだ

「八雲さん、お休みなのに大丈夫でしたか?」

いつものスーツ姿ではない八雲さんはどう見ても疲れが溜まっているようにしか見えない

『結愛、八雲は自分から行きたいと言ったんだ。心配しなくてもいい』

柊さんに肩を抱き寄せられながらもチラッと八雲さんを見ると、バレない程度に横に首を振る姿に苦笑いが出た

『八雲は聞き込みをしてくれ。あくまで目立たぬように頼む。親戚でも装って探しているとでも言えば疑われないだろう。長浜という人がここに住んでいた証拠があれば十分だ。俺と結愛はまずは施設へ。後で合流したらあの小屋へ行こう』

柊さんと莉奈さんのおばあさん、つまり、養子縁組をして莉奈さんを引き取った方にまずは会いに行った。

柊さんはいつものように支払いを済ませてから個室となっている部屋へ向かうと、部屋に入る前に見知らぬ男性が居たので外から様子を見る事にし、部屋から出てきた男性をバレないようにスマホで写真を撮った

年齢的には50代くらいだろうか‥‥
知り合いなら話を聞けるし追いかけないと‥

隠れていた壁から出ようとすると、柊さんが少し青ざめた顔色で口元を手で覆いながら私の腰を抱き寄せた


『ちょっと待て‥‥ッ‥どうしてアイツが?』

えっ?