あの時間を忘れる方法が あるなら

そう思っていたのに、昨日ソファでそのまま眠ってしまったのか、勢いよく起き上がると前に私が過ごしていた部屋のベッドで眠ってしまっていたようだった

(‥‥最低だ‥‥ここに来た1番の目的は莉奈さんの事を聞く事だったのに、自分の気持ちを告げてお風呂に入ってグッスリ眠ってしまうなんて何しに来たのかこれでは分からない‥ッ!)

今が何時か分からなくてカーテンから外の景色を眺めるとうっすら明るくなり始めた空にもうすぐ朝なのだと思うとより溜息が出た

ここまで運んだのは当たり前だけど柊さんだから、起きたらお礼を言わないといけない‥‥

静かに部屋のパウダールームで洗顔と歯磨きを済ませると、置いて行ったままの洋服に着替えて化粧品も以前使っていた物がそのままあったのでなんとかメイクを施した

今日が休みだったらな‥‥
なんて呑気なことは言ってられないので、柊さんを起こさないように静かにリビングに向かうと、突然ドアが開いて腕を勢いよく引っ張られてそのまま部屋に入ってしまった

「ッ!!柊さん‥ッ‥起きてたんですか?」

クスクスと笑う私を腕の中に閉じ込めると、シダーウッドの香りに包まれながらも顔がみるみる赤くなっていく

『‥‥好きな人が隣の部屋で寝てるのに、グッスリ寝られる訳がないだろう?』

ドキッ

こめかみの傷に軽くキスを落とされると、顎を持ち上げられ近づいて来た綺麗な顔に瞳を閉じるものの、待ってもキスをされる事はなくゆっくりと瞳をあけると待っていたかのように唇を塞がれた