あの時間を忘れる方法が あるなら

「私も‥‥柊さんに伝えれてない事があります。‥‥ッ‥こんな感情を柊さんに抱いていたと知られるのが怖かった‥‥。契約関係というだけなのに、一緒に生活していく中で向けられる優しさに莉奈さんという人が柊さんにはいるのに、この時間が終わって欲しくない‥‥そう思ってしまったんです」

瞳から我慢出来ずに涙がどんどん溢れると、柊さんが指で涙を拭い、ティッシュで優しく目元を何度も押さえてくれた

「こんな幸せな温かい生活をしていたら、終わりが来たら物凄く寂しいなって‥‥。それくらい柊さんがいる生活が当たり前になってしまい、抱いてしまった感情がいつか出てしまうのが怖くなりました‥‥だから黙って去ってしまった事を今更ですが謝らせて下さい‥‥。」

泣いていてはいけないと涙を堪えると、瞳を開けて目の前の愛しい人を真っ直ぐ見つめる


「柊さん‥‥私‥‥あなたの事を好きになってしまいツラくてここから逃げました‥‥本当にごめんなさ」

言い終える前に腕を引き寄せられると、シダーウッドの香りに包まれ、柊さんの腕が強く私を抱き締める

『謝るな‥‥君は何も悪くない‥‥。それに、君から好きと言われて嬉しくないはずがないだろう?』

柊さん‥‥

『君が去ったあの日、本当は食事に行ってその後さっき話した気持ちを伝えるはずだった。
こんなにも時間がかかってしまってすまないが二度と後悔したくないから聞いて欲しい。』

腕の力が緩められ、柊さんの指が私の顎を捉えて上を向かせると、また瞳から涙が溢れた