あの時間を忘れる方法が あるなら

震えてる‥‥‥?
こんな弱々しい柊さんを見るのは初めてなほどで、いつも守ってもらってたが故にそう感じてしまう

私を抱き締める腕の力が増してゆき、2人の間に隙間などないほどに柊さんの香りに包まれながらも我に帰る

「柊さ‥ッ‥社長!」

『‥柊でいい』

えっ?

耳元に寄せられた唇から発せられる低い声に、私の胸は締め付けられ心拍数もどんどん早くなりこのままだと隠し通せない‥ッ

突き放さないといけないのに、何処か辛そうな柊さんを突き放す事も出来ず、暫く私は動けずに身を任せるしかなかった

『すまない‥急用が出来たから、運転手に送ってもらうから乗って帰るといい』

「はい‥ありがとうございます」

良かった‥‥
少し時間はかかったもののいつもの柊さんに戻ってくれて‥‥


クールで落ち着いた相手とは違い、赤ら顔で頬に熱が残っているのが恥ずかしくて俯くと、柊さんが私の頭を優しく撫でてから帰って行った

(はぁ‥‥)

ゆっくり眠ったはずなのに、色々な感情が一気に押し寄せ、ようやく気が緩まったのかベッドにそのままダイブし大きく溜め息を吐いた

来週からまたお仕事頑張らないとな‥‥

楽しかった時間は夢のように終わり、次の週からは任される仕事も増えて気を緩めると何かミスをしかねない緊張感の中で働いていた


『佐々木さん、社長に来客が入ったからお茶とお茶菓子の準備をして貰える?』

「はい、かしこまりました。どのような方でしょうか?」

来客に合わせてお出しするお飲み物やお茶菓子を変えているためと特徴だけは聞いておきたかった

『社長のお母様で、会長の奥様がお一人で見える』

ドクン