あの時間を忘れる方法が あるなら

『こんな時期に‥新入社員?』

「えっ?‥‥ッ!!」

男性が突然片手を壁に突き私の目の前に立つと高い位置から私をジーッと見つめて来て視線を逸らす

『うーん‥‥色気はないし、スタイルは痩せ型で物足りないとすると‥‥何か特別な物でも隠し持ってたりとか?』

『泰雅!』

2人の容姿が優れた男性が目の前で言い争う光景に左右をキョロキョロと見てしまいつつも、柊さんが私に視線を落とした瞬間心臓がハネてしまいそうだった

『佐々木さん』

「あ‥はい!」

『彼は人事部の安倍 泰雅。分からないことは何でも聞けばいい。それと、セクハラをされたらすぐに報告してくれ。』

セ、セクハラ!?

確かに女慣れはかなりしてそうだし、相当容姿がいいからモテるとは思えるけど、仮にも人事部だからセクハラなんて1番してはいけないのでは?とチラッと安倍さんを見た

『佐々木さん安心してね。手取り足取り俺が一から教えてあげるから。』

「えっ!?あ‥‥えっと‥普通で大丈夫です。お忙しいと思いますから。」

『フッ‥‥だそうだ。泰雅、余計なことしたら減給だからな。それじゃあね、佐々木さん』

「はい‥ありがとうございます‥社長」

『うん‥』

近くてもこれ以上は近寄らない距離感を保ちながらも頭を下げると、背を向けて歩いていく社長が見えなくなるまで見送った

『よし!それじゃあ人事の奥にある個室使っていいから、まずは会社の規則や各部署の仕事内容、主任以上から重役までの名前を覚えてもらおうかな。ね?佐々木さん?』

ドキッ