【更新停止】ハナコトバマジック!

「——それにしても、あの敵幹部。無理やりクリスタルを取ろうとするなんて、ひどいね」
 空が暗くなってきた、帰り道。
 ツユくんが、怒った口調でそう言った。
  
 うん……ちょっと、びっくりした。
 やっぱり、あの子は悪い人……なのかな。
 おどしたり、横取りしようとしたり。怪人さんを作ったり。
 ……そう、だよね。「敵」って言ってたもんね。
 分かり合えないのかな……。
 夜の冷たい空気が、わたしの肌をなでていく。
  
「——そんなこと、ないと思うのです」
 その空気をはらうみたいに。ヒマリちゃんが、おずおずと話しかけた。

「あの子……なんていうか、そのっ……」
 ツインテールの毛先を、ぎゅっとつかんで。
 ゆっくりゆっくり、言葉を選ぶように。
 
「——ほんとは、冷たいわけじゃないと思うのです!」
 うつむきながら、そう言った。
 
 冷たいわけじゃ、ない……?
 うーん……確かに。ちょっとだけ、幹部さんの振る舞いには引っかかる、かも……?
 
「ヒマリ、思ったのです。さっき『敵だよ』って言ったのも、目的をぜんぶ話したのも。かすみとの間に、無理やりバリア張ろうとしたんじゃないかって」
 バリア……あの怪人さんみたいに。
 わざと、わたしを近づけないようにしてるんだ。
 そう思ったら、ストンと腑に落ちた。

 本当は、悪い人じゃないのかも。
 次に会ったら、話し合い……できるといいな。
 もし、平和に解決できたら。
 幹部さんとも、仲良くなれるかな?

 そう思うと、ついふふっと笑っちゃった。
 いつか、一緒にさくらもち食べられたらいいな!

 はずむ足取りで家まで急ぐ。
 真っ黒な空を、月が優しく照らしていたんだ!