よそ見してんじゃねーよ。〜前腕フェチ看護師が、クールな外科医の独占愛に捕まりました〜


 色気を纏ったように聞こえるその低音ボイスに、私はこくんと頷いた。

 やばい………

 やばいよっ……!

 きゃーーーーー!

 心臓と共に、状況を認識した脳内も暴走を始める。

 今、き、きす………

 キスしたーーーー!

 ちょっと……え……え…?

 私、先生の……か、かのじょ………?

 彼女になったの……?

 「白石、大丈夫か?」

 先生の声にハッとして我にかえる。

 「まだ足りない?」

 ハンドルに片腕を置いて、楽しそうにこちらを見る先生。

 「いや、じゅ充分です!」

 慌ててそう答えていた。

 「そうか」

 そう言って私の頭をぽんと撫でる。

 その仕草が優しくて、また胸がきゅっとなる。

 そのまま先生の指先が髪をひと房すくった。

 「俺はまだ足りない」

 ドクンと心臓が跳ねる。

 「だから」

 真っ直ぐ私を見つめて、

 「これから覚悟しとけよ」

 そう言って、どこか嬉しそうに口角を上げた。

 破壊力抜群なワードと目の前の推し。

 彼氏になった推しが強すぎて、

 無理いぃぃぃぃっ!!





 Fin.