Stellar Express

キィィ……と、


古い金属が噛み合う小気味良いブレーキ音が響く。


目の前でピタリと止まった列車の扉が、


ぷしゅ、と


静かな蒸気の音を立てて開いた。


中から溢れ出してきたのは、


ふわっと香る、温かい琥珀色のライトの光と、古い図書館を思わせる懐かしい木の匂い。


現実の嫌な匂いを、すべて掻き消してくれるような優しい匂いだ。


ちょっと怖い。

でも好奇心が勝ってしまう。


「.....星宿特急へようこそ......」


誰もいないはずの車内から、寂しげな

けれど招くような優しい幻聴が聞こえた気がした。


ええい。


好奇心に負けて、学校にも家にも、世界のどこにも居場所がない僕の足を踏み込んだ。