君の隣で、私になれた



ーーー大学3年の春。

ーー莉桜side.


居酒屋。



「インターン何社行く?」

紅羽が聞く。


一瞬。

全員黙る。


「重い話やめろ」

琉生が言う。

「逃げんな」

新が即座に突っ込む。

笑いが起きる。



「でもそろそろ考えなきゃじゃん」

紅羽はため息をつく。


「紅羽は?」

私が聞く。

「ファッション誌」

即答。


「やっぱり?」

「でも倍率やばい」

「何倍?」

「知らないけど!」

「ちゃんと調べろよ」

新が呆れる。


「調べたら怖くなるじゃん」

「終わってる」

また笑いが起きる。


「でも」

紅羽が少し真面目な顔になる。

「受けない後悔の方が嫌」

「落ちてもいいから受ける」


「紅羽っぽいな」

琉生が少し笑う。

「でしょ」

「お前そういうとこだけ強いよな」

感心したような顔で言う新。

「だけとは?」

今日も仲良いのか悪いのか分からない2人。



「新は?」

「建築」

「お前それしか言わないじゃん」

呆れたように笑う琉生。

「それしか考えてない」

「怖」

紅羽が笑う。

新は平然としている。


「逆に迷わないの?」

私が聞く。

「迷わない」

即答。

「すげぇな」

感心する琉生。


「俺まだ何も決まってねぇ」

「営業じゃないの?」

「営業はやりたいけど何売るか分からん」

「琉生っぽい」

紅羽が笑う。


「何が」

「商品じゃなくて自分売りそう」

一瞬静かになる。

「確かに」

思わず同意する。

「確かに」

新も。

「なんで全員納得してんだよ」

みんなで爆笑する。