君の隣で、私になれた



ーーー大学2年の冬。

ーー琉生side.



「寒っ」

紅羽が肩をすくめる。

「だから言っただろ」

新が呆れたように言う。


「だってクリスマスマーケットだよ!?」

「冬だぞ」

「雰囲気が大事なの!」

いつものやり取り。

俺は笑う。



イルミネーション。

屋台。

ホットワインの匂い。

カップルだらけ。


なんだかんだ。

この四人でいる時間が好きだった。



「琉生くん!」

名前を呼ぶ女の子の声。

振り返る。


「あ」

思わず笑う。

「久しぶり」

その女の子が走ってくる。


そして俺の腕にそのまま抱きつく。

「会いたかったー!」

「大袈裟」

「大袈裟じゃない!」

相変わらずだなと思う。


後ろ。

3人が固まっていた。


「元気?」

「元気!」

「琉生くんは?」

「まぁ普通」

「えー」

女の子が笑う。

俺の腕を揺らす。


「相変わらずモテてるでしょ」

「どうだろ」

「モテてる」

即答。


俺は笑った。

「相変わらず可愛いね」

「ほんと!?」

「ほんと」

女の子が嬉しそうに笑う。


「琉生くん今彼女いる?」

「いない」

「じゃあまた飲もうよ!」

「気が向いたらね」


「絶対ね!」

そう言って。

女の子は友達の方へ戻っていった。

静かになる。



「誰?」

紅羽が聞く。

「元カノ」

「は?」

「え?元カノ?」

莉桜も固まる。

「うん」


「距離感おかしくなかった!?」

騒ぐ紅羽。

相変わらず声がでかい。

「そう?」

「そうだろ」

新まで言う。