ーーー大学2年の冬。
それぞれの恋愛事情。
莉桜の場合。
大学。
共有スペース。
「莉桜ー!」
後ろから声。
振り返る。
同じ学部の男子。
「昼飯行こうぜ」
「みんなもういる」
「行く行く!」
私は笑う。
そのまま数人で学食へ。
本当にそれだけ。
連絡先交換もない。
二人きりでもない。
ただの友達。
その様子を少し離れた場所から見ていた男。
湊だった。
目だけが笑っていなかった。
そのことに私は気付かない。
ーーその日の夜。
『家来れる?』
LINEで湊から呼ばれて家へ来た。
合鍵で入る。
誰もいないみたいに静か。
リビング。
湊はソファに座っていた。
テレビもついていない。
照明も間接照明だけ。
「おかえり」
笑っていない。
私はそれを見てすぐ察する。
湊の機嫌が悪い。
「ごめん」
「何が?」
まだ何も言われていない。
でも反射的に謝る。
「ここ座って」
私は湊が座ってるソファの前へ行く。
そしてそのまま床へ座る。
「今日の昼」
…始まった。
「一緒にいた男誰?」
「文学部の友達」
「名前」
「え?」
「名前を聞いてる」
答える。
「その男と何してた?」
「みんなでお昼食べてただけ」
「何人?」
「6人」
「男何人」
「3人」
湊がため息をつく。
「なんで俺に言わないの?」
「え…」
「先に教えてって言わなかった?」
「でも…言う必要ある?」
そう言った瞬間。
空気が変わる。
